与信管理の教育ってどうやって進めるの?

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会社の与信管理のレベルは、管理部門が必死にその対策を行えば向上するというものではなく、従業員一人一人の与信マインドと能力の高さによって決まるといっても過言ではありません。したがって、管理部門が積極的に与信管理教育を計画し、実施していくことが重要です。

与信管理に携わる従業員は、その役割を果たすために必要な能力を持たなければなりません。与信管理に必要な能力とは、会計、税務、法律など与信管理を行うための知識と、自社のシステムでの債権推移などの調べ方、取引先からの情報収集、取引先倒産時の対処法など、現実に実施することができる技能などを意味します。

社内研修や社外セミナー参加を通じて、各担当者が営業部門、管理部門に必要な知識を身に付けられるよう、取り組んでいきましょう。

1.営業部門に必要な知識・力量

営業部門は、常に与信管理の最前線にいるため、大変重要な責任を負っています。なぜなら、取引先自体やその周辺から情報を収集し、現場で判断し対処するなど、取引先との一次管理を担当するからです。営業部門の担当者が与信管理の要諦を理解し、現場で敏感に反応できれば、貸倒の被害を最小限にとどめることができます。現場の生の情報に勝る信用情報はないからです。

取引先の変化を知るためには、当然、常日ごろから取引先に出向き、取引先の常態(平常時)を知っていなければなりません。そして何か異常があった時に「何か変だぞ・・・」と第六感が働くようにしておくこと、これこそ生きた与信管理と言えます。

◆営業部門の教育テーマと必要な能力

ランク 必要な能力
新人営業担当者 ・与信マインド(与信管理の重要性)を持つ
・チェックシートに沿って現座で情報収集ができる
・与信限度申請書が記載できる
中堅営業担当者 ・信用調書から取引先の信用力を分析できる
・決算書が読める
・契約書の内容を理解できる
・担保取得など取引におけるリスクヘッジ方法を知っている
・支払遅延、倒産など緊急時に対応できる

2.審査部門に必要な知識・力量

与信管理の担当者に求められる能力は、与信管理における非常に幅広い分野に関して専門的に身に付けることです。そのようなレベルに達するためには、通常多くの時間がかかります。一般的には、一人前の審査マンを育てるには、5年かかると言われています。

また、管理部門の担当者は、与信管理における課題を経営に反映させる、いわゆる経営センスも求められます。

◆管理部門の教育テーマと必要な能力

ランク 必要な能力
新人審査担当者 <会計・税務・財務分析>
・決算書類の入手方法がわかる
・B/S、P/L、キュッシュフロー計算書、資金繰り表の各係数の意味が分かり、読める
・主な財務指標についてその適正水準と危険水準がわかる
・決算書の勘定に現れる危ない兆候がわかる
・簿記3級を取得している
<信用調査・情報収集>
・情報のリリースについて種類と特徴がわかる
・不安情報(貸倒れ、手形、支払異変など)について理解できる
・信用調査会社の種類と得意・不得意分野についてがわかる
・信用調査会社の組織についてがわかる
・格付会社とその格付の概要についてがわかる
<業界知識>
・業種別審査事典を読んで業界知識を収集できる
<法律・担保>
・倒産法について概要を理解できる
・手形、小切手の仕組みについて概要を理解できる
・登記簿の取り方、記載事項がわかる
<経営>
・競争戦略、マーケティング戦略について概要を理解できる
中堅審査担当者 <会計・税務・財務分析>
・会計原則や各会計制度変更について概要を理解している
・有価証券報告書、決算短信の内容・仕組みがわかり、読める
・GC注記、監査法人変更など上場会社の危険兆候とその意味がわかる
・税務申告書を読める
・キャッシュフロー計算書、資金繰り表を作成できる
・簿記2級を取得している
<信用調査・情報収集>
・信用調査会社に問い合わせ、情報収集ができる
・取引先のグループ企業に関するデータ収集と連結決算を作成した上での企業分析ができる
・信用調書を読んで企業の概要と問題点を抽出できる
・各信用調査会社のサービスライン、売上、利益を知っている
・信用調査会社の調査方法とその限界について理解できる
・倒産件数とその傾向についてわかりやすく説明できる
<業界知識>
・主な業界(業界地図レベル)のメインプレイヤーとその銀行の系列などを知っている
・主な企業集団について、そこに含まれる会社を知っている
・業種ごとに現れる決算書の特徴についてわかる
<法律・担保>
・会社法について理解している
・不動産登記簿について取り方、記載事項がわかり、簡易な時価評価ができる
・債権保全の各手法について、概要と問題点を理解している
・倒産手続きの流れについて理解している
・倒産事故発生時の対応(現状把握、保全・回収策)について理解している
<経営>
・企業価値の評価方法について理解している
・M&Aの手法とその違いについて理解し、提案できる

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