与信管理講座「倒産事例から見る財務指標の傾向」(第3回)
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与信管理講座「倒産事例から見る財務指標の傾向」(第3回)
リスクモンスター株式会社 メルマガ事務局
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<CONTENTS>
■与信管理講座「倒産事例から見る財務指標の傾向」(第3回)
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~与信管理講座「倒産事例から見る財務指標の傾向」~
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与信管理上注目すべき財務指標を、倒産企業の分析データから解説しております。
第3回 「手形割引率」
1.「手形割引率」とは?
手形割引率は、受取手形のうちのどの程度割引いて現金化しているかを表している
指標です。逆に言えば、どれだけの手形を割引かずに手持手形として手元に置いている
かを表しています。販売先から受け取った手形を決済期日前に割引くということは、それ
によって運転資金を調達していることを意味します。手形を割引くことなく手元に多く置いて
いるということは、それだけ資金繰りに余裕があることになります。よって手形割引率が
0%に近いほど資金繰りに余裕があると言え、割合が高いほど資金繰りに余裕がないと
考えられます。
手型割引率はつぎの算式によって求めることができます。
手形割引率(%)=割引手形÷受取手形(割引手形を含む、裏書譲渡手形を含まない)×100
※割引手形の金額は通常、決算書の脚注に記載されております。記載がない場合は、
手形の受渡し時等に相手方にヒアリングを行い、その金額を聞き出す必要があります。
2. 倒産事例分析
次に、最近の倒産事例より、手形割引率の推移を見ていきます。
1.株式会社マルヒデ
(集配利用運送業、2011年5月11日破産手続申立、負債総額59億円)
①会社概要、倒産経緯
・1976年設立、1970年創業の集配利用運送業者。
・運送業と倉庫管理業を展開し、ピーク時の2007/3期には年商61億の売上を計上して
いたが、2008年10月に受注減や燃料代の高騰による業況悪化を主因に、資金繰りが
逼迫し民事再生に至った。
・民事再生認可決定後、再生計画案に基づき、再建を図ってきたが、計画の業績推移を
達成できず、一層の業況悪化へと陥ったことから再建を断念した。
②手形割引率の推移(2008年10月民事再生手続以前)
決算期 2006/3 2007/3 2008/3
売上高(千円) 4,337,047 4,633,308 4,426,245
手形割引率(%) 95.8 82.8 92.2
・借入依存度75%超、手形割引率90%超など、恒常的に厳しい資金繰り状態に陥って
いたことは明らかであり、業績の落ち込みが資金繰り破綻へ直結したことが窺える。
3.ポイント
リスクモンスターでは、手形割引率別の倒産確率を集計しております。これを見ると、
割引率が60%を超えると倒産確率が顕著に高くなる傾向が出ております。
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【著者】リスクモンスター データ工場
会社の格付データの更新を中心業務として行うことに加え、与信管理サービスの
企画・開発や、会員企業の与信管理支援コンサルティングサービスの提供まで
担当する、いわばリスクモンスターの“心臓部”。
分かりやすく精度の高い情報を、お客様により早くご提供することをモットーにしている。
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