「与信ポートフォリオ分析(第3回)~リスクに応じた管理ルールとは」

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「与信ポートフォリオ分析(第3回)~リスクに応じた管理ルールとは」

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 「与信ポートフォリオ分析(第3回)~リスクに応じた管理ルールとは」      
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今月は4回にわたって、与信管理ルールを構築・運用していくために重要な
「与信ポートフォリオ分析」についてご説明します。
 
取引先全体の状況分析、自社が抱える与信リスクの算出、要管理先の選定と運用など
に利用できる有用なものです。手法や効用について詳しく解説します。
 
一つ一つの取引先の分析ももちろん大事ですが、一つの案件にこだわっていると
本当に管理が必要なリスクを見逃してしまう危険性があります。まさに
「木を見て森を見ず」の状態に陥ってしまいます。
 
そうならないよう に取引先全体を把握した上で、リスクが高い案件に効果的に
経営資源を配分できるよう濃淡管理していく、その道しるべとなるのが
与信ポートフォリオ分析です。
 
第3回は「リスクに応じた管理ルール」の設定方法について解説します。
 
取引先全体の与信限度を見直したのち、与信管理基準を信用力に合わせて設定し、
与信可否を初期判断できるルールを作成します。
 
一般的な与信管理ルールの策定方法としては、信用力のランクごとに安全な
与信限度の上限目安を定めます。この上限は自社の財務体力と資金の回転特性
を見て体力測定を行い、リスクに挑戦できる財務体力を把握して決定します。
 
そして、財務体力や決裁権限に応じて、格付ごとに天井を設定することにより、
実際に営業部長が決裁できる金額を選択する仕組みとします。
 
Aランクは5,000万円、Bランクは2,000万円・・・といったように目安を定め、超過
している企業は重点的に管理するようにします。この際、もっとも高いランクでも
自社の自己資本の10%を超えないように設定し、あとは格付ごとの倒産確率に
合わせて金額を設定します。
 
目安の金額を超えて取引を行っている先は「重点管理先」とし、上位決裁者が
承認する、情報を多く収集する、担保の交渉を行う、取引額を見直すなどの
具体的対策を取るようにルール設定することで、リスクの低減が図れるように
なります。
 
理想を言えば取引先全体のリスクのうち、80%以上が重点管理対象としたい
ところですが、取引先の分布と、社内の人員・コストを勘案して、バランスの取れた
ルールを作成することが重要です。重点的に管理しようにも件数が多すぎると
リスクの低減策を講じる時間が無くなってしまいます。
 
また目安の金額以下の取引先については、営業部門に決裁権限を付与し、業務
効率化と営業の積極的展開を促します。
 
これだけでルールとしては問題ありませんが、たとえ貸倒れたとしても自社の
財務体力に与える影響が少なく、管理するだけでそのコストが収益を上回って
しまうような少額取引の先が多いのであれば、管理対象から外す足切りラインを
設定することも検討します。
 
また与信額が非常に大きな大口取引先は、営業戦略上特別な意味を持ち、
政策的な管理が必要と考えられます。与信上の問題が生じた場合には、すぐに
経営上の問題となることが考えられるので、社長や役員会で決裁するなどと
いうように特別に管理をします。
 
リスクを定量的に把握し、リスクをミニマイズできるようなルールを見える形で
設定し、自社の許容できる範囲に収まるようリスクをコントロールすることで、
経営はひとつ上の管理ができるようになるのです。
 
また焦げ付かなくて当たり前、焦げ付いたら何をやっていたんだと言われる
管理部門においてもリスクを見える化することで成果目標が立てられ、その
達成度合いを評価できるようになります。ここまでやって初めて「経営に役立つ
与信管理」と言えるのではないのでしょうか。
 
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