調査結果発表:第1回「ビジネススキルアップに関する意識」調査(リスモン調べ)~研鑽意欲は一生もの、スキルアップデートをリスキリングにつなげる~

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調査結果発表:第1回「ビジネススキルアップに関する意識」調査(リスモン調べ)~研鑽意欲は一生もの、スキルアップデートをリスキリングにつなげる~

リスクモンスター株式会社
データ工場

 2022年に政府が発表した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」における重点投資として「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」が掲げられ、新しいスキルを学び直す「リスキリング」が話題となっている。そこで、ビジネスパーソンに対し、自身のスキルアップへの意欲について、リスクモンスターが独自に調査(2022年12月13日~12月14日実施)を行ったところ、800人から回答が得られた。
 今回の調査ではビジネススキルアップを「望んでいる」割合は44.0%と、半数以下に留まる結果となった。スキルアップを「望んでいる」と回答した人は、20~30代の方が40代以上よりも高く、一般社員よりも主任・係長以上の役職者の方が高くなっている。40代以上かつ役職を持たない層においてスキルアップを「望んでいない」人が6割超存在していることが、全体においてスキルアップを「望んでいない」人が半数を超えた一因といえよう。
 高めたいビジネススキルとしては、男女・世代に関わらず、業務で使用する機会の多い「PCスキル」が最も多い結果となった。次いで「語学力」が多く、特に「課長クラス」と「部長クラス」では最多の回答となっていることから、上位の役職者ほどビジネスの現場で語学力を求められる場面が増加している様子がうかがえる。
 ビジネススキルを高めたい理由としては、20~30代、一般社員や主任・係長において「給料を上げたい」が多く、スキルアップを収入増のための重要な要素と捉えている様子がうかがえる。一方、既に十分な収入を得ているであろう「課長・部長クラスの50代」においては、自己肯定感を高める手段としてスキルアップを捉えている様子が明らかとなった。
また、ビジネススキルアップを「望んでいる」と回答した人に1週間の勉強時間を聞いてみたところ、約4分の1は全く勉強しておらず、5時間以上の勉強時間を確保できている人は6.5%しかいない状況となっていることから、意欲はあっても、勉強に十分な時間を費やせている人はわずかであることが浮き彫りとなった。
 本調査結果においては、20~30代の若い世代や、40代以上の役職者におけるスキルアップの意欲が高い様子が表れており、若い頃にスキルアップに励んだビジネスパーソンが昇進・昇格を果たし、役職者となった以降は、目的が変化しつつも引き続きスキルアップに対する高い意欲を保っている様子がうかがえる。新たな業務の遂行や異なる環境下で活躍していくためには、従来のスキルだけでは不足することが多い。常に活躍できるビジネスパーソンであるために、多忙な中でもリスキリングを含めたスキルアップに努める姿勢が必要となろう。

 

 

[Q1]あなたはビジネススキルの向上を望んでいますか?

 自身のビジネススキルアップを望んでいるか調査を行ったところ、「望んでいる」(回答率 44.0%)が「望んでいない」(同 56.0%)を下回り、スキルアップを望む人は全体の4割程度となった。
 スキルアップを「望んでいる」と回答した人について、男女別では「男性」(同 43.0%)と「女性」(同 45.0%)がほぼ同数となり、男女別で大きな違いはみられなかった。世代別では「20代」(同48.0%)、「30代」(同48.0%)が「40代」(同40.5%)、「50代」(同39.5%)より高い回答率となり、若い世代のほうがスキルアップを望んでいることがうかがえる。
 役職別では、一般社員において「望んでいない」が6割を占める中、「主任・係長」(同 59.5%)、「課長クラス」 (同 53.5%)、「部長クラス」(同 58.3%)においては「望んでいる」が過半数となり、役職者の方がスキルアップに対する意識が高い状況にある。(図表A)
 世代と役職有無(役職ありは主任・係長以上)のクロス集計を行ったところ、スキルアップを「望んでいる」は「30代・役職あり」(同61.4%)が最も多く、「40代・一般社員」(同31.6%)が最も少ない結果となった。年齢が上がっても役職に就けないことで、意欲が低下してしまっている様子がうかがえる。(図表B)

 

[Q2] どのようなビジネススキルを高めたいですか?

 [Q1]にてビジネススキルアップを「望んでいる」と回答した人に対して、高めたいビジネススキルを調査したところ、「PCスキル」(回答率 56.0%)と回答した人が最も多く、「語学力」(同 40.9%)、「コミュニケーション」(同 27.0%)と続いた。
 男女別、世代別においては、全ての区分で「PCスキル」がトップとなり、2位は「30代」以外の区分で「語学力」となった。
 役職別では、「一般社員」と「主任・係長」において、「PCスキル」(各同60.0%、56.0%)がトップとなったのに対して、「課長クラス」と「部長クラス」においては、「語学力」(各同68.8%、57.1%)が最も高い回答率となり、「PCスキル」の回答率は35.0%前後と他の区分に比べて明らかに低い回答率となった。
 「語学力」に関しては、「40代、50代」、「課長、部長クラス」において、高い傾向が見られ、ベテラン層において必要となっている様子がうかがえる。また、「30代」、「主任・係長」においては、「プログラミング」の回答率が高くなっており、年齢や役職によって必要なスキルの傾向が表れているといえる。(図表C)

 

[Q3] ビジネススキルを高めたい理由は何ですか?

 [Q1]にてビジネススキルアップを「望んでいる」と回答した人に対して、理由について調査したところ、「給料を上げたい」(回答率34.9%)が最も高く、次いで「自己肯定感を高めたい」(同32.7%)、「新しい業務に挑戦したい」(同32.1%)の順となった。
 男女別では、男性は「給料を上げたい」(同 36.6%)が1位、「新しい業務に挑戦したい」(同32.0%)が2位となり、女性は「自己肯定感を高めたい」(同35.6%)が1位、「給料を上げたい」(同 33.3%)が2位となった。
 世代別や役職別では、「給料を上げたい」が「20代~40代」(各同42.7%、39.6%、37.0%)と「一般社員、主任・係長」(各同35.5%、48.0%)においてトップとなっているが、それぞれに年齢や役職が高まるにつれて回答率が低下していく傾向があり、同時に「自己肯定感を高めたい」は、年齢や役職が高まるにつれて回答率が上昇し、「50代」(同48.1%)や「課長・部長クラス」(各同40.6%、42.9%)においてトップの項目となっている。[Q1]において「役職のない50代」がビジネススキルアップを望んでいないことを考慮すると、「課長・部長クラスに昇進した50代」においては、既に十分な給料が得られているため、「自己肯定感を高める」ことがスキルアップの目的に変化していることがうかがえる。(図表D)

 

[Q4] ビジネススキルアップのために1週間あたり何時間勉強していますか?

 [Q1]にてビジネススキルアップを「望んでいる」と回答した人に対して、ビジネススキルを高めるために使う勉強時間ついて調査したところ、1週間あたり「1時間未満」(回答率33.5%)が最も多く、「勉強していない」と「1時間以上~3時間未満」(各同24.1%)が同率で次点となった。
 男女別でも、「1時間未満」の回答が「女性」(同 35.0%)、「男性」(同 32.0%)ともに最も高い回答率となり、世代別においても「20代」を除いて30代以降は「1時間未満」の回答率が最も高いことから、ビジネススキルアップの意欲があっても、まとまった勉強時間の確保は難しい様子がうかがえる。
 役職別では、3時間以上の回答率が「一般社員」(同14.3%)、「主任・係長」(同16.0%)、「課長クラス」(同37.5%)、「部長クラス」(同50.0%)となり、上位役職ほどビジネススキルアップのため勉強時間を費やしている様子がうかがえる結果となった。(図表E)

 

 

■リスモン調べ動画

今回発表の「ビジネススキルアップに関する意識」調査動画を作成しました。2人のコメンテーターの掛け合いによる解説をお楽しみいただけます。

掲載サイトよりご覧ください! https://youtu.be/hhrNSBb-e6Q

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