企業データ活用による競争力強化戦略とは?
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デジタル化が進む現代において、企業データを適切に活用することは競争力を高める重要な要素です。売上データや顧客情報、マーケットトレンドなどのデータを収集・分析することで、意思決定の精度が向上し、業務の効率化や新たなビジネスチャンスの創出が可能になります。
本記事では、企業データをどのように活用すれば競争優位性を確立できるのか、具体的な戦略や成功事例を交えながら解説します。DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの活用、データ分析ツールの選び方など、実践的なアプローチもご紹介していきます。
◆企業データの活用方法とその重要性
・企業データとは何か?
企業データとは、ビジネス戦略で使われる情報を指します。業種や本社の所在地といった基本情報はほんの一部で、主要取引先、業績など社内外のあらゆる情報が企業データに該当します。
蓄積したデータを軸にするデータ駆動型経営では、決断やアクションのタイミングで特定人物の勘や経験に頼ることはありません。
売上やマーケティングなど企業活動から得られるデータを幅広く収集、分析した上で経営戦略や需要予測を立てる際の判断基準にします。
先手必勝のビジネスを実践するため、企業データは欠かせない情報資産です。
・データ駆動型経営のメリット
データ駆動型経営のメリットは<効率性・スピード感・正確性>で、多様化・複雑化した消費者のニーズにも柔軟に対応可能です。
昨年の事例など生きたデータを分析することで需要を正確に予測し、きわめて効率的な事業を展開できます。直感やセンス頼みの経営方法の危うさは、倒産した数々の老舗企業の事例が伝えています。
企業の利益を減らす無駄を省き、意思決定や仮説検証サイクルのスピードが速くなれば自ずと生産性も上がります。飛躍的な事業成長を目指すなら、スピード感こそ最大のメリットになるはずです。
しかも経験や勘を介入させる余地がないため、時間を大幅に短縮しつつ客観性に裏打ちされた高精度な決断が可能になります。
勘や経験に依存するやり方はギャンブル性が高く、データ駆動型経営のように正確に的を絞ることはできません。
・企業データの正確な管理と収集の方法
企業データを集める時は質と量の両方に気を配る必要があります。情報量が少ないのは論外ですが、ただ漠然と集めるだけではムダな情報も混ざってしまいます。
正確ではない情報や古い情報が多いデータベースは、誤請求や誤配達などマイナス事象を次々にもたらします。何より、ムダなデータを集めるプロセスこそ効率性の真逆です。
意思決定につながらない情報は必要ありません。収集が目的にならないよう、データの活用目的を最初にはっきりさせます。
また、情報は生ものです。データのクオリティを維持・向上させるために、しっかりメンテナンスしましょう。
管理の仕事を片手間で行うのは難しいため、役割に応じてデータスチュワードやデータアナリストなど各分野のエキスパートを配置します。
人材不足の場合は企業データベースの作成・管理をお願いできる専門サービスに一任するのも、有効な方法です。
・ビッグデータと企業戦略の連携
データ駆動型経営を進める上で、ビッグデータと企業戦略が連携していない状況は問題です。
個人やプロジェクト単位でデータ駆動型経営に取り組むケースが目立ちますが、本来のあり方は部署も横断し組織全体で推進するやり方になります。
部署によって持っている数値があまりにも違うと会社全体の意思決定の際、ズレが生じかねません。データ駆動型経営を軌道に乗せるためにも、会社が一丸となって取り組む必要があります。
部署・部門レベルの活用に留まらないようビッグデータと企業戦略を連携させ、トップダウンとボトムアップの両輪が不可欠です。
データこそ価値ある資産と捉えて全社で共有するマインドが醸成していない状況なら、人材教育から着手しなければなりません。
・データ保護とプライバシーの重要性
データ駆動型経営では、データやプライバシーの保護も大事な課題の1つになります。ビッグデータと企業戦略を連携させ、データをフル活用する経営手法は比較的最近導入されました。
海外ではいち早くスタンダードになっていますが、データ駆動型経営の先進国でもデータやプライバシーの問題でトラブルになるケースが少なくありません。
専用の役職も登場していますが、責任をどう負うのか明確な定義がないのが実情です。
データを安全に保護しプライバシーを守るためにも、専門知識を持つ人材の獲得や研修、リスキリングなど企業全体のリテラシーを高める施策が欠かせません。
データ活用と並行し、データリテラシー向上のための育成も必須の対策です。
◆具体的なデータ活用手法とツール
・CRM・ERP・BIツールなどの活用方法
データ活用のためのツールはそれぞれ役割が異なります。使う目的を明確にした上で必要なものを導入することが大切です。
CRM:成約後の顧客管理を行うために導入される効率化ツールで、住所氏名やクレーム履歴など顧客の情報を共有可能。購買履歴から購入単価やポイント使用率を分析できるマーケティング用製品も。
ERP:企業全体の資源を一元管理するためのツール。企業経営の基本となる資源要素<ヒト・モノ・カネ・情報>を有効活用するために導入されます。
BI:企業の各部署の蓄積データを1つにまとめるためのツール。経営戦略のための意思決定をスムーズにするため、収集したデータの集計・分析を行い、すぐに活用しやすいようビジュアル化します。
・AIや機械学習を用いたデータ解析
機械学習などAIを使ってデータを解析し、予測や開発のプロセスを自動化する活用方法です。マーケティングや医療分野など分野によって求められるAI能力が異なるため、最適な機械学習を選択することがポイントになります。
・データベースの最適化と運用方法
データ駆動型経営では体系的に情報を集めたデータベースを活用することになりますが、きちんと運用できずにいるケースも目立ちます。
全社共通の情報基盤を作っても、組織にとって価値がある情報は変わります。常に最適な状態で使えるよう管理しましょう。
・データの可視化とダッシュボード活用方法
ビジネスツールのダッシュボードは1つの画面にデータをまとめる機能があり、売上推移や商圏分布といった情報を集約できます。データを可視化することで理解を深め、マーケティングの精度を高められます。
・ビッグデータの取り扱いと分析手法
ビッグデータは巨大なデータ郡のことで、高レベルの3つのV「Volume(量)・Variety(多様性)・Velocity(速度あるいは頻度)」が備わっていることが特徴です。
3つのVにVeracity(正確性)とValue(価値)を追加した5つのVが揃っているものこそビッグデータ、と言われることもあります。
クロス集計やクラスター分析、アソシエーション分析など色々な分析方法がありますが、エクセルの他にもBIツールやデータマイニングツールが役立ちます。
・顧客データのセグメンテーションと活用
顧客データのセグメンテーションはマーケティングの基本的な手法の1つです。データを基に顧客を特定の傾向や特性で分類し、複数のグループに振り分けます。
顧客を分析して細分化することで、狙ったターゲット層向けに商品を開発したりピンポイントで営業を仕掛けたり・・・といった活用の仕方ができます。
◆データ活用により業績向上した6つの事例
・売上向上を実現したデータ活用の例
営業方法をデータ活用の軸に切り替え、売上向上に成功した事例を紹介します。
ある企業では、これまで営業担当者が経験ベースで手作業でアタックリストを作成していました。データ駆動型経営導入後、AIを活用した「自動リスト生成システム」を構築。業種・地域・与信情報をAPI連携でリアルタイムに分析し、最適な顧客を自動抽出。
その結果、営業効率や成約率が数十%アップし、契約に関するトラブルを減らす効果も見られました。
・コスト削減に貢献したデータ整備
整備されていなかった取引先企業データを整えることで、コスト削減に成功した事例を紹介します。
ある企業では、顧客データベースに重複した情報や古い住所が多く含まれていたため、DMの不達が頻発していました。これを解決するため、最新の顧客情報を収集・更新する仕組みを構築しました。
その結果、郵便物の不達率を大幅に改善するとともに、再送にかかっていた余分なコストを削減。さらに顧客情報の管理にかかっていた手間を劇的に減らすことで、業務効率の向上も実現しました。
・顧客満足度向上のためのデータ活用
データ活用を通じて、顧客満足度向上に成功した事例を紹介します。
ある企業では、問い合わせフォームに企業データベースと連携したシステムを導入しました。ユーザーが自社名を入力すると、自動的に候補企業が表示される仕組みを構築。
これにより、従来かかっていた入力時間を大幅に短縮し、問い合わせ手続きの完了率が向上しました。操作性の改善により、顧客満足度調査でも高い評価を得ています。
・在庫最適化によるロス削減と利益向上
データ分析を活用し、在庫管理を最適化することで利益向上に成功した事例を紹介します。
ある企業は、これまで経験や過去の販売データだけを頼りに発注量を決めていました。そのため、余分な在庫が発生したり、逆に商品が足りなくなることがありました。そこで、AIを活用した需要予測システムを導入し、リアルタイムの販売データや市場の動きをもとに発注量を決定するようにしました。
この取り組みにより、余剰在庫や欠品のリスクを大きく減らすことに成功。在庫管理にかかるコストも削減でき、売上もアップしました。在庫回転率が向上し、年間で数千万円規模のコスト削減につながったという実績もあります。
・従業員の生産性向上を実現したデータ活用
データを活用し、従業員の業務効率を改善することで生産性を向上させた事例を紹介します。
企業では、従業員の作業ログや勤務データを集めて分析しました。その結果、特定の部署や時間帯に業務の負担が集中していることが分かりました。そこで、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という自動化ツールを導入し、繰り返し作業や定型業務を自動化しました。
この仕組み化により、従業員はより重要な仕事や創造的な業務に集中できるようになりました。結果として、業務のスピードが上がり、残業時間が減っただけでなく、従業員の満足度も向上しました。定型業務の約8割を自動化し、従業員の負担を大きく減らすことができました。
・マーケティング施策の精度向上による売上増加
データ分析を活用し、マーケティングの精度を高めることで売上増加に成功した企業の事例を紹介します。
この企業では、従来のマーケティング施策が感覚的な判断に依存していたため、効果測定が不十分でした。そこで、Webサイトのアクセスデータや顧客の購買履歴を分析し、ターゲットごとに最適な広告やプロモーションを実施。
さらに、AIを活用して顧客の興味や行動パターンを予測し、パーソナライズされたコンテンツを配信することで、広告のクリック率やCVR(コンバージョン率)が向上。結果として、マーケティング投資対効果(ROI)の大幅な改善につながりました。
◆リスクモンスターの企業データベースサービスの活用法
リスクモンスター株式会社の企業データベースサービスは、上場企業や関連企業で約40%という導入実績があります。
・550万社超の独自企業データベースの3つのポイント
多くの企業から支持されるポイントの1つは国内トップクラスのボリュームです。550万社を超える情報は、倒産実績に裏付けされた指標など独自の指標で収集されています。
分析も毎日行い、結果を即座にデータベースへ反映しているため、情報の鮮度・精度が下がることはありません。2つ目のポイントは、与信管理の専任担当者を配置せずに済むことです。
会員制を採用し、自社にジャストフィットするサポートを受けられます。データベース作成や調査を一任できるため、膨大な時間と手間を費やさずに済みます。
サービスを活用することで、データ駆動型経営の初心者でも最初からスムーズに進めることが可能です。3つ目のポイントはAPI連携に優れている点になります。
自社システムやWebサイトにAPI連携をつなげることで社内外のユーザビリティを改善し、より快適な状態で利用可能です。
・外部SaaSサービスや各種サービスの連携に強い
連携性もリスクモンスターを利用するメリットの1つです。名刺管理ツールや業務自動化ツールなど外部のSaaSサービスと連携しているため、情報共有と業務フローの効率化をさらに促進できます。
反社チェックなどオプションも充実しているので、より踏み込んだ調査も可能です。
今後は益々データに基づく経営判断が求められます。リスクモンスターの企業データベースサービスを利用し、データ駆動型経営に必要な環境を早めに整備しておきましょう。