信用調書の活用法 第1回 信用調査会社の役割とは

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信用調書の活用法 第1回 信用調査会社の役割とは

今回から4回にわたり、信用調書の活用法についてご紹介してまいります。
信用調査を行うに当たっては、直接取引先と接する営業担当者による調査が最も重要です。
しかし、それだけではわからない部分も、信用調査会社をうまく利用することによって見えることがあります。
是非とも本講座で、信用調書の活用にお役立ていただければと存じます。

 

第1回 信用調査会社の役割とは

【信用調査会社とは何か】

信用調査会社の中には、企業に特化して調査を行う会社から、個人情報の入手を中心に行う探偵のような会社(興信所)まで、規模や内容はさまざまです。企業調査を行う信用調査会社の主な業務内容をまとめると以下のようなものになります。

①    企業信用調査 

②    信用不安情報の収集と提供

③    倒産情報の収集と提供

④    企業倒産統計の集計と提供

⑤    市場調査

⑥    出版事業

⑦    データバンク事業

 

取引先の内容を調べる際に最もよく利用されるのが①企業信用調査であり、信用調書や企業データを購入することにより、取引先の情報を入手できます。

 また、各信用調査会社が発行する情報誌は非常に価値のあるものです。自社での調査が不可能な広範囲の企業についての信用情報をタイムリーに入手することができます。また、業界の傾向を分析する際にも活用が出来ます。

 

【信用調査会社を利用するメリット】

 取引先の信用調査を行う上で、信用調査会社を利用するメリットをまとめると以下の通りとなります。

 

①    手間と時間の節約

信用調査は、取引先をいろいろな角度から調べる必要があるので、多大な労力と費用がかかります。また初めての取引先について詳しく調べるのは困難です。信用調査会社を利用するとそれらがセーブでき、可否判断のスピードを速めることが出来ます。

 

②    割安な費用

自社で全ての調査を行うより割安な場合があります。特に企業概要データや既調の信用調査などは安価かつ即座に取得でき、可否判断のスピードを速めることができます。

 

③    主観の排除と調査漏れの防止

第三者による調査は、しがらみや思い込みを排除することができます。また、自社で調査できない部分を補完してくれます。

 

④    要注意・警戒企業の情報入手

信用調査会社に入るさまざまな情報の中から、要注意企業や警戒企業の情報を入手することができます。

 

 【信用調査会社を利用する時の留意点】

 

①    信頼して利用できる信用調査会社は少ない

信用調査会社と名のつく調査会社は非常に数多くありますが、企業調査を行う上で信頼できる情報を提供してくれる会社は限られています。あらかじめ信用調査会社の規模や能力を評価した上で利用するようにしましょう。

 

②    情報を能動的に収集

信用調査会社から入手する情報を機械的に伝達処理するだけでなく、調査会社に調査のヒントとなる取引先の状況を伝達する、あるいは自社が持っている情報を積極的に提供するなど情報を能動的に収集する姿勢を持つ必要があります。

 

③    調査範囲の限界

どの調査会社にも、地域、業界など調査範囲には必ず限界があるので、それらを念頭に置いて利用しましょう。

 

④    画一的な調査が行われやすい

一部の信用調査会社では、調査員にノルマを課しています。その結果、項目を埋めるのに専念しがちになり、情報の取り方が少ない場合もあります。調査結果を見てわからない部分については、信用調査会社に問い合わせるなど積極的に情報収集しましょう。

 

第一回は、信用調査会社の役割についての講座でしたがいかがでしたでしょうか。
次回は、実際の利用方法や調書の読み方などを紹介していきます。

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