調査結果発表:リスモン調べ~第5回 「仕事・会社に対する満足度」調査~勤務先が「ブラック企業」でもその過半数は勤め続けることを望む
第5回「仕事・会社に対する満足度」調査
勤務先が「ブラック企業」でもその過半数は勤め続けることを望む
与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一、以下リスモン)は、第5回「仕事・会社に対する満足度」調査結果を発表いたしました。
調査結果
(1)年代が上がるほど勤続意欲が強い傾向
調査対象者600名に聞いた「仕事・会社に対する勤続意欲」は「今後も勤め続けたい」(回答率70.8%)が「勤め続けたくない」(同29.2%)を大きく上回る結果となり、前回との比較では「今後も勤め続けたい」が5.5ポイント増加し、第3回調査以降2回連続で増加しました。
「今後も勤め続けたい」を回答した内訳をみると、男女別では前回に引き続き男性(同73.7%)の方が女性(同68.0%)よりも高い結果となりましたが、一方で女性においては前回よりも8.3ポイント上昇しておりその差は縮小しています。
年代別では前回と同様に20代(同66.0%)よりも30代(同74.5%)、40代(同72.0%)の方が勤続意欲が強い傾向となっており、前回調査との比較においても30代、40代の方が勤続意欲が強まっている傾向がうかがえます。
未既婚別では未婚(同65.7%)に比べ既婚(同76.0%)の方が依然として10ポイント以上も上回っており生活の安定を望む姿勢が表れた結果となりました。(図表A)
また年収別にみたところ年収が高まるにつれて勤続意欲が高まっている傾向が見られ、年収300万円を境に勤続意欲に大きな差が生じることがうかがえる結果となりました。(図表B)
(2)勤続意欲を高めるポイントは「会社の安定性」と「やりがいのある仕事」
「今後も勤め続けたい」と選択した理由を尋ねたところ、1位「安定した会社だから」(回答率38.6%)、2位「やりがいのある会社だから」(同32.5%)、3位「職場の立地や設備がいいから」(同27.1%)と続きました。特に会社の安定性と仕事のやりがいに関しては男女別、年代別、未既婚別のいずれにおいても高い回答率となりました。その他女性においては「女性が働きやすい職場だから」(同29.9%)が3番目に高い回答率となっており、女性の勤続意欲を高める上では女性の働きやすさが重要な要素になっていることが表れる結果となりました。(図表C)
一方「勤め続けたくない」と選択した理由を尋ねたところ、1位「給料が低いから」(回答率46.9%)、2位「仕事にやりがいがないから」(同32.6%)、3位「将来性が感じられない会社だから」(同22.9%)という結果となりました。勤め続けたくない理由においても男女別、年代別、未既婚別での相違は殆ど見られず、勤続意欲に対して主に影響する条件は男女や年齢、婚姻を問わず概ね同じであることがうかがえる結果となりました。(図表D)
(3)労働のモチベーションは「仕事ぶりに対する適正評価」
自身の仕事ぶりが会社から適正に評価されていると感じるか否かを調査したところ「適正に評価されていると思う」(回答率55.3%)が「適正に評価されていないと思う」(同44.7%)をやや上回る結果となりました。年齢別では前回調査と同様に20代から40代に年齢が上がるにつれて「適正に評価されていない」と感じる回答が増加する一方で、未既婚別においては既婚者の方が「適正に評価されている」(同58.0%)と感じている人が多い結果となりました。(図表E)
また、勤続意欲と評価の感じ方の関係性について調査したところ性別、年齢別、未既婚別の全てのセグメントにおいて「適正に評価されている」と感じている方が「今後も勤め続けたい」と勤続意欲が高い結果となりました。自己の仕事ぶりを適正に評価されていると感じることは、労働に対する大きなモチベーションの一つとして捉えることができると考えられます。(図表F)
(4)3人に1人は自身が勤務する会社が「ブラック企業」と評価
勤務先に対するブラック企業の意識について調査したところ「勤務先はブラック企業だと思う」(回答率33.0%)は、「勤務先はホワイト企業だと思う」(同67.0%)を大きく下回りましたが、およそ3人に1人は自身が勤務する会社がブラック企業だと感じているという結果となりました。また、ブラック企業の意識と仕事に対する評価の感じ方の関連性を集計すると「適正に評価されている」と感じる人の76.5%が「勤務先をホワイト企業だと思っている」のに対して、「適正に評価されていない」と感じる人においては、44.8%と半数近くが「勤務先をブラック企業だと思っている」という結果になりました。(図表G)
「勤務先がブラック企業だと思う」回答者に対して勤続意欲との関連性について集計したところ、「勤め続けたくない」(回答率50.5%)が、「今後も勤め続けたい」(同49.5%)を僅かに上回ったものの、勤務先がブラック企業であると感じていてもほぼ半数の人が継続的に勤務することを望んでいる結果となり、さらに勤続意識と年収の関連性を集計したところ年収500万円を境に勤続意識が分かれることが明らかとなりました。(図表H)
さらに、出世願望の有無を加えて関係性を調査したところ「出世願望あり」においては、「今後も勤め続けたい」(回答率81.4%)が「勤め続けたくない」(同18.6%)を大きく上回る結果となりました。特に「出世願望があり」、かつ「適正に評価されている」と感じている人においては「今後も勤め続けたい」の回答率が92.7%ときわめて高いことから、出世意欲に対して評価が伴っている人においては、勤労に対するモチベーションが非常に高い様子がうかがえます。(図表I)
総評 - 仕事に対する適正評価で「ブラック企業」の意識解消、勤続意欲向上へ
「仕事・会社に対する満足度」調査は現代のビジネスパーソンが自身の仕事や会社に対してどれほどの愛着を持ち、勤労を継続するモチベーションに繋げているのかを計った調査です。
本調査によれば全体の約7割が現在の勤務先に「今後も勤め続けたい」と回答しており、第3回調査から2回連続で増加しています。しかしその一方で、およそ3人に1人が現在の勤務先に「勤め続けたくない」と回答しており、その最大の理由として挙げられているのが「給料の低さ」でした。([1][2]参照)
またその他では「出世願望の高さ」や「仕事に対する評価の適正性」も勤続意欲に繋がる要因として挙げられています。高い出世意欲を持って精力的に働くことによって、正当な評価を得ることで、結果として高い収入を得ることに繋がり、それがまた働くモチベーションになる、ということだと考えられます。([3]参照)。
さらに、勤続意欲に関わる要素としては「勤務先がブラック企業ではないか」という点も挙げられます。本調査において3人に1人が「勤務先をブラック企業だと感じている」と回答しており、その内のほぼ半数が現在の勤務先に「勤め続けたくない」と回答しています。逆に勤務先をブラック企業だと感じても半数が「今後も勤め続けたい」と回答していることが驚きではありますが、勤務先をホワイト企業だと思う人の約8割が現在の勤務先に「今後も勤め続けたい」と回答していることを考えると、やはり勤務先がブラック企業であることは勤続意欲に大きく影響しているといえるでしょう。
とは言え「勤務先をブラック企業だと感じている」という回答の内訳をみると、仕事に対して適正な評価が得られていないと感じる人が勤務先をブラック企業と捉えやすくなっており、さらにブラック企業だと思っていても民間企業の平均年収と言われる420万円(国税庁2015年)を超える年収500万円以上になると勤続意欲が高く表れるなど、自身の評価の感じ方や収入の多寡によってブラック企業に対するイメージが左右されてしまう傾向も見受けられます。([4]参照)
「高い勤労意欲を持って働くことで評価され、結果として高い収入を得ている人」の勤続意欲が高いということは、仕事や会社に対する満足度は“会社の質”よりも“労働者の意欲”に左右される要素の方が多いともいえます。しかしながら、会社側も従業員の意欲に頼るだけでなく、より多くの従業員が高い意欲を持って働けるように自社の労働環境の整備に努めなければなりません。
※本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、こちらよりご覧いただけます。
実施概要
・調査名称 : 第5回「仕事・会社に対する満足度」調査
・調査方法 : インターネット調査
・調査エリア : 全国
・期間 : 2017年10月27日(金)~10月29日(日)
・調査対象者 : 20~49歳の男女個人 600人
・有効回収数 : 600サンプル
リスモン情報
リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
リスモンの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2024年3月末時点で14,007(内、与信管理サービス等7,498、ビジネスポータルサイト等3,074、教育事業等2,964、その他471)となっています。
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